健康管理として感染症予防は必須？

健康管理として感染症予防をする必要はあるのでしょうか。ここでは、感染症予防の理由や意義についてまとめています。

企業の健康経営に感染症対策が必要な理由

企業の健康経営とは、従業員の健康管理や健康増進への取り組みを投資ととらえ、経営的な観点で戦略的に実行する経営手法です。健康経営を行うことで、従業員の活力向上や生産性アップなど組織の活性化をもたらします。

近年では「健康経営優良企業認定」を受けた中小企業に対し、融資金利の優遇などのインセンティブを付与する金融機関も増加。また、経済産業省が定める「健康経営優良法人認定制度」では、感染症予防対策が評価項目のひとつになっています。

感染症予防を行う意義

企業には、労働契約法5条によって「労働者の安全への配慮」が課せられています。企業が感染症予防を行わずに感染症が蔓延している状況は、労働者への配慮の義務違反に問われるかもしれません。

また、従業員が感染症に罹患すると休業を余儀なくされます。すると業務を中断することになり、事業継続に影響を与え顧客や取引先の信頼を失う恐れがあります。ビジネスの継続性を確保するためにも、適切な感染症予防は必要です。

感染症予防を行うことでのメリット

感染症予防を行うことでの大きなメリットは、従業員の心身の健康を保てることです。例えば感染症になった人が休みを取ろうとした際、有給や欠勤扱いになってしまうと休まない人もいるでしょう。

休んでいる間の保証など企業内の感染症予防が十分に整備されていなければ、従業員は安心して働くことはできません。企業側が感染症予防を行うことで従業員の不安を軽減し、心身の健康を保ちながら業務を行うことが可能です。

また感染症予防によって、クラスターが発生しにくい状況をつくることができます。集団の中で感染症が広がると元気に働ける人が減っていき、業務のパフォーマンスも落ちて、最終的に業績が落ちてしまう可能性があります。

健康経営における感染症対策への取り組み例

適切なタイミングでのマスクの配布

マスクを使用すると、感染者の病原体を拡散するのを抑えることができます。不織布マスクを着用すると、着用しないときと比べて自分が吐き出す飛沫量が減ります。感染症が流行し始めたときなど適切なタイミングで、企業からマスクを配布し着用を促せば感染症予防の対策となるでしょう。

また、オフィスにアルコール消毒液など感染症予防環境の整備を設置することも感染症対策のひとつです。

予防接種の費用補助を行う

インフルエンザや麻しん、風しんなどの予防接種費用を補助したり、受ける時間を確保したりすることも感染症予防として有効です。感染症予防とは、そもそも感染症にならないよう対策することも含まれます。

従業員の中には「予防接種の費用が高いので受けたくない」「忙しくて予防接種を受ける時間が取れない」という人もいるでしょう。費用補助や就業時間内認定を行えば、予防接種の受診率が上がる可能性が高くなります。予防接種実施場所の提供も対策として有効です。